8月のおもと

強烈な直射光がさしてくる酷暑期です。
高温、多湿の日が統くとオモトも同化作用、呼吸作用がにぶくなり、逆境に対する抵抗力も弱くなります。これが休眠期といわれる時期です。
棚の周囲をできるだけ広範囲に日よけをして涼しくしてやる環境づくりがたいせつです。

雨には当てず、早朝の水やりを完全にします。軽石、赤玉土の水やりは朝明砂より間隔が長くなりますから、水分過剰にならないように、水やりは控えめにすることがオモトづくりのコツです。
下旬にもなると、幾分署さもやわらぎます。秋根といって、首もとから新根が出るよラになりますから、上乾き(水ゴケが乾くこと)させないように新しい水ゴケに置き替えましょう。そして、乾いたときはバラ水を行います。

鉢植えの管理・作業

─置き場─

<作柵の場合> <温室の場合>
・梅雨も明けて、灼熱の太陽が中点から照りつける日が多くなります。
・採光は午前8〜9時ごろからよしずや遮光用ネット(1210番)で日除けをします。
・特に暑い日は午前10時頃から日除け資材を2枚にし、暑さをやわらげてやることが必要です。
・日除けは、オモトの上だけでなく、広い範囲に行いましょう。
・日除けは太陽が沈んだら取り除きます。
・雨に当てないよう注意しましょう。
・通風に十分気をつけましょう。(ただしオモトの近くで扇風機をかけるのは×。葉に長時間風が当たると、乾燥して痛むことがあります)
・夜は雨よけをしてください。
・天窓、窓のすべてを開放し、午前8時〜9時ごろからよしずや遮光用ネットで日除けをします。特に暑いときは、10時ごろ2枚にして暑さをやわらげてやります。換気扇を回して通気を十分にはかってやることも必要です。雨に当ててはいけません。
夜は天窓だけを閉めて雨をよけます。
<台風対策>
台風の接近が予想されるときには、鉢は、棚の下などに置いて倒されないようにしましょう。作棚なども補強しておくとよいでしょう。雨には当てないようにします。

─水やり─

晴天の日は、毎朝(6時〜8時ごろ)涼しいうちに抜き水を行います。日中の高温時の乾燥には軽いバラ水を行いますが、鉢内が過湿にならないようにします。
夕方には鉢内の乾燥も激しく、気温も高いので、もう1回抜き水をします。日中の高温で鉢内の温度も高くなっているので、最初は鉢底から生ぬるい水が出てきます。かけた水と同じくらいの温度の水が水が出るまで、時間をかけて水やりするのがポイントです。
夕方の抜き水は、葉水をかねて葉上から行います。夕方の抜き水を上げ水と呼びます。
夜間、気温が低くなる湿度の高い場所では、早朝の抜き水と日中のバラ水だけにしてもよいでしょう。
雨天、曇天の日は、鉢の乾き具合を見て、朝抜き水を行います。
軽石植えの場合は、2日に1回、赤玉土植えの場合は、4日から1週間に1回の目安で抜き水を行い、乾いたらバラ水を行います。

─肥料─

高温時の施肥は、消化不良を起こし、芋を軟弱にするので、施肥は厳禁です。

<アク水>
抜き水がわりに30倍ぐらいに薄めたものを、月に10回ぐらい施します。

─上コケのとり替え─

乾きやすくて、保水が弱くなり、また水の通りが悪くなった上ゴケ(水ゴケ)は、根を傷めないように取り替えて、用土上部の保水を良くします。

植え替え

今月は植え替えを行ってはいけません。

繁殖

─株分け(割り子)─

今月は株分けを行ってはいけません。

─芋切り─

今月は芋切りを行ってはいけません。

<芋吹き苗>
7月に本植えができなかった場合は、この時期に行うと成績がよくないので、9月末まで待って本植えにします。


病気と害虫の対策

殺虫剤のスミチオン1000倍液か、マラソン1000倍液や殺菌剤のベンレート1000倍液などを、各1回散布します。


今月入手したら

─根巻きもの─

植え替えの適期ではないので、根巻きものは買わない方が良いでしょう。

─鉢植えもの─

植え替えはよくありませんから、買うときに芋、根をよく見て買いましょう。


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※本稿は、(有)三光園社長、榊原八朗様のご厚意で、
氏の著作「NHK趣味の園芸・作業12か月/オモト」(日本放送出版協会)を
もとに作成しております。