交配の例として、この大宝、大車に花が咲いて来たとしましょう。 この小さな花の雌しべに粘液が出てくると、いよいよ交配が可能となりますが、粘液が出ていない花はまだ受精準備が整っていないため花粉を付けても受精はしません。このため、雌しべに粘液が出ているかどうかを確認して交配を行っていきます。 大宝の雄しべの花粉を一つピンセットで取り、大車の雌しべに花粉を付けてやる。またこの逆で、大車の雄しべを取り大宝の雌しべに花粉をつけて交配する。 (ボールペンの軸を抜いたものに、ツマヨウジを差し込み、雌しべを付けてやるとやりやすい) |
交配が終わっても安心はできません。翌日の確認が大切です。 花粉をしっかり付けたつもりでも、雌しべに粘液が出ておれば未受精ですから再度交配を繰り返します。 交配が終わると、雄にした実親の名前と交配した日をラベルに書いて鉢に差します。※例──大車×大宝・99年5月22日、大宝×大車・99年5月28日 先に書いた名前が雌の実親で、後が雄しべの花粉を付けた雄用の実親の名前です。数が多くなると、交配した雄しべの花粉の実親の名前がわからなくなりますから、面倒なようでもこのラベルは忘れず付けるようにしましょう。 これは、種を蒔き生えたおもとの実親の優劣を確認するためにも大切な作業になります。
11月頃、おもとの実が大きく膨らみ赤く色付いてきますが、12月に入ってから実の根元から切り取り、そのまま紙袋に入れて保存します。
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