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――西尾会長のお柵から―― 藤本 猛

▼良い実親に出会うために

 一服しましょうと、応接室に移動した。

 冷たいビ―ルで喉を潤しながら、これから交配を目指す方々に一言お願いする。

「私も、交配はけっこう昔からやっていましてね。始めた頃は失敗ばかりで、大宝モドキとか、大車モドキとか〇〇モドキの実親ばかり持っていました。何年も、生えない期間がありました、その後、京都の増田さんとの出会い、岡山の小野田さんとの出会いが良かったんですよ」

 増田さんは、関西実生会研究会の産みの親だったそうで、これからと言うときに病気をされてしまいました。

「いろんな先輩との出会い、巡り合わせがありまして色々指導もうけました、そして、このころから初めて実績のある実親が手に入ってきたんです」

「〇〇モドキは趣味者を腐らしてしまったり、やる気を損なってしまいます。信用のおける業者や、先輩の指導を受けることが良い実親に巡り合えることと言えます」

 会長の経験から、上達の極意はすばらしい先輩を持つことだと教訓を交えて語ってくれました。

▼あとは実践あるのみ

 突然お邪魔しても快く迎えてもらい、ジョ―クのきつかった団子などのお土産と、肥料や、糖水、交配用の道具、花粉の保存など初心者にもよくわかるように詳しく教えていただき帰路につきました。

  早速、団子を棚下に置いて、翌日見ると沢山のナメクジの死骸です。

 いらなくなったボ―ルペンに爪楊枝を差し込み交配の準備にもかりました、そして早速教えてもらった肥料や、シリカゲル、薬包紙を探しに五月晴れの街に出かけたのです。

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