「今まで、ナメクジには苦労させられました、庭に塩を撒いても、鉢の中に潜んでいるナメクジは駆除できなくて、花の花粉を食い荒されたりして…。昨年、富士宮のお棚見学のとき、ランネ―トが良く効くと教えてもらったんです」 「まず、糠を炒って香りを付けます、この糠に水1000ccに対して、ランネ―ト1ccを薄めたもので、よく練っておきます。これを、スプ―ンで形をつくって乾燥させ、一皿に親指大の大きさの団子を乗せて、ナメクジが潜んでいそうな所に置くだけでこんなに取れますよ」、と作り方まで教えてくれました。 「一皿に30匹から40匹のナメクジの死骸ですよ、いろんな所に置いていますから、おそらく一晩で600匹以上は天国にいっていますよ、すごいでしょ」 「この薬のおかげでナメクジの姿を見ることもなくなりました。これは、農協で売っていますが購入する場合は印鑑が必要です、猛毒ですから、取り扱いにはくれぐれも気を付けて下さいよ」 団子を扱う時はピンセットでつまんで、ぜったいに、直接手で触らないことと、会長から注釈があったことを、付け加えておきます。 |
次に、時代物、実生棚を見せてもらう。 ほとんど縞羅紗系だそうで、3800粒蒔いてあるとか、そろそろ、根も出して小さな白い芽が少し見えてきています。 「この中から、1本でも2本でも良い物が生えてくれると嬉しいんですがね、なかなかこれと思うような物は生えてくれませんね」、と謙遜の言葉が返ってきた。 その奥に、ガラスケ―ス四段の別の苗床が見えます。七箱入っていて、3月15日に千代田系ばかり2400粒の種を蒔いたそうです。 「羅紗千代田はまだ小さくて確認するのにはもう少し時間がかかりますね、1本でも生えてくれると苦労も吹っ飛びますが…」 「早く鉢上げしないとと思うのですが、今はご覧のとうり交配で忙しくてどうすることもできないんです。遅れると間延びしてしまい実生品評会に入賞することはなかなか難しいですね」と困った顔。 「二週間後ぐらいからぼちぼち鉢上げしますよ、この作業は実生家の醍醐味、宝探しみたいで楽しみですからね」 |