'2001年お棚見学記(2) 愛知県の名棚を訪ねて
文・坂本宏治

【天野氏のお棚】
 

日本万年青実生研究会会長である天野 力氏のお宅に到着したのは5時30分でした。

 主な実親を紹介するとBO10、玄海獅子、奥谷大宝、友禅大宝、W3、VC38(岡山・小野田氏出)、カキガラ錦福、大車、北松、賀松、母松(長野・赤羽氏出)などです。
 無芸で紺性も強くなく一見何の変哲もない木である 母松をよく使っておられるようなのでお尋ねしますと、母松×賀松またその反対の交配で青い羅紗、斑が乗った薄葉が生えている、後は羅紗地に斑がのるかどうかが問題だとの事でした。
 今後 後は自ら作出した千代田系のF1にやっと花芽が来だしたのでいろいろと試してみるのがたのしみと言う事です。














 棚には平成9年に登録した天翔(カキガラ錦福×仁兵大宝)を始め、廬山、天賀、かわいい末広、きりっとした比叡、3本立ちの玉姫、羅王丸は玉姫とはまた違った趣のある羅紗獅子です。




【宴会】


 今回のお宿は吉良温泉は竜宮ホテルです。ひと風呂浴びた後は東京、静岡、福井の会員、そして地元の方々も参加したいつものような陽気な宴会、そして2次会はこれまたお決まりの部屋での本音のおもと談義で夜も深々と更けていきました。















【二ノ宮氏のお棚】
 















さて翌日は出発してまもなくバスのタイヤがパンクしヒヤットしたものの運転手の必死の頑張りで予備のタイヤを装着しバスは再スタート。しかしながら最初の訪問先の二ノ宮勇氏のお宅に到着した時は予定を1時間もオーバーしてしまいました。

 たくさんある決まりものの中で寿松が2本、玉松、松円が目にとまりました。
 実親は富士1号、千曲、三河1号、信濃、松谷千代田、三光、熊谷千代田、福松2号、福原千代田、泉松、竜爪、福寿龍、金剛の華、大宝、仁兵大宝、錦福、錦宝等が代表的な実親です。さらに素晴らしいのは同じものが5〜10鉢揃っていることでありました。また以上の実親からの生えた将来楽しみな今年の生えが多数並んでおり羨ましい限りです。

 棚を一段下がった場所にランチュウのたたきが数槽作ってあり素晴らしいランチュウ達が優雅に泳いでいました。おもとの実生とランチュウ、共に交配でいいものを作出したいという点で共通点があるような気がしました。

(つづく)
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